はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第44回『旧暦霜月二十四日』

     

    南天 ナンテン
    花言葉:私の愛は増すばかり

    日本や中国に自生し
    多くの家で庭木として
    愛されてきた南天

    ”難を転ずる”という
    語呂あわせから
    縁起のよい木として
    知られています

    夏に咲かせる白い花には
    深すぎる愛
    募る愛
    という花言葉が添えられ

    冬になると赤く色づく実には
    幸せ
    よき家庭
    という言葉が寄せられます

    魔除け 厄除けの効果が信じられ
    お正月飾りとしても
    ひろく使われる南天

    果実を乾かした南天実(なんてんじつ)は
    解熱・咳鎮めに効果があります

    薬草としての力も
    持ち合わせる南天が
    愛や幸せの言葉を持つのは

    日々の暮らしこそが
    幸せの象徴で
    そこに深い愛を
    感じていたからかもしれません

    新暦では2021年が間もなく終わり
    新しく2022年を迎えます

    今年はどのような1年でしたでしょうか

    旧暦では月があと一巡りいたします
    月の動きに合わせてお届けしてきた
    はなごよみ つきごよみ くらしごと

    のこり1月となりました

    次回は1月3日
    師走の新月のころに
    またお会いしましょう

    はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第43回『旧暦霜月十六日』

    柊 ヒイラギ
    花言葉:用心深さ・先見の明・歓迎・あなたを守る

    クリスマスリースに
    よく使われているヒイラギ

    緑の葉と赤い実
    クリスマスカラーで
    かわいいヒイラギ

    11月頃に赤い実をつけます

    じつはこれは
    セイヨウヒイラギ

    ヒイラギとは
    似ていて異なるものなのです

    ヒイラギは
    節分のころに魔除けとして
    玄関先に飾られます

    寒くなると白い花を咲かせ
    やがて実をつけます

    甘い香りの花で
    多くの人を魅了しますが
    棘のある葉に防がれて
    近づくことができません

    そんな用心深いヒイラギの葉は
    年を重ねるにつれ
    棘はやわらかく
    丸味を帯びてきます

    冬が深く
    寒さの厳しい頃になり
    キンモクセイのような香りが
    漂ってきたら

    きっとヒイラギが
    白く可憐な花を咲かせていますよ

    冬のおさんぽの
    楽しみのひとつとして
    探してみてくださいね

    次回12月27日
    霜月の下弦の半月のころ
    お届けします

    はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第42回『旧暦霜月八日 上弦の半月』

     

    クリスマスローズ
    花言葉:私の不安を和らげて 慰め

    ヨーロッパ産まれの
    クリスマスローズ

    寒くなり
    クリスマスが近づく頃
    可憐な花を咲かせます

    冬の寒さを耐え抜き
    春まで健気に咲き続ける
    たくましさを
    持ち合わせる花

    中世ヨーロッパの騎士は
    戦いに出かける前に

    私を忘れないで

    と言う想いをこめ
    この花を贈ったと言います

    どこかさみしく
    不安な気持ちを呼びおこす冬

    そんなとき
    クリスマスローズは
    そっと寄り添い
    心をあたためてくれます

    花や茎には毒を宿し
    内なる強さを秘めていますが

    花の香りには
    気持ちを穏やかにする
    効果があるのだそう

    年の瀬にむけて
    あわただしくなる時期です

    クリスマスローズの香りに
    癒やされながら

    すこし立ちどまってみても
    よいかもしれませんね

    次回、12月19日
    月の満ちるころに
    お届けいたします

    はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第41回『日旧暦霜月朔日』

     

    シクラメン 篝火花(かがりびばな)
    花言葉:遠慮 はにかみ

    花の少ない冬に
    赤白ピンク紫と
    華やかに彩りを添えるシクラメン

    花粉を雨から守るため
    下向きに咲くことから

    内気 遠慮 といった
    奥ゆかしさをあらわす花言葉が
    つけられています

    日本では
    明治時代に岐阜県恵那市で
    栽培がはじまりました

    冬景色の中
    人々を寒さから守る
    篝火のように

    鮮やかなシクラメンの花が
    心にもあたたかな
    灯をともしてくれます

    冬がやってきました
    あたたかくして
    健やかにお過ごしください

    次回12月11日
    霜月の上弦の月が
    夜空に煌めく頃に
    お届けします

    はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第40回『旧暦神無月廿三日』

    柚子 ゆず

    花言葉:健康美

    汚れなき人思わずその香りを試したく
    手にとっては鼻に近づけてしまいます

    ころりと手のひらサイズの
    まんまるな柚子香りに苦いというのは
    なんだか少しおかしな気がしますが

    柚子の香りは
    すこし苦いように感じませんか

    そんな柚子
    可憐な白い花を初夏に咲かせます

    ゆずの花は柚と書き
    ゆずの実は柚子と書くとか

    さて

    あとひと月もすれば
    冬至がやってきます

    柚子を湯舟に浮かべ
    風邪をひかないようにと
    願う方もいらっしゃるかもしれませんね

    その由来は語呂合わせだったり
    血行促進効果と言われたり
    さまざまです

    香りゆたかな柚子は
    楽しみ方もたくさん

    蜂蜜と柚子皮に湯を注ぎ
    柚子湯としていただくもよし

    ジャムやピールにしてもよし

    小さなその実を
    幾通りにも味わいましょう

    寒い冬も
    ほっこりあたたかい気持ちに
    包まれますよ

    12月4日
    旧暦霜月の新月を迎えるころ
    次のお話をお届けします

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花のこと