fujino

    はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第27回『旧暦文月十五日(望月)』

    藤袴 ふじばかま
    花言葉:あの日を思い出す ためらい

    夏の終わりが近づくと
    藤袴が紫色の花を咲かせます

    香水蘭 夢花と
    美しい別名を持つ優美な花

    平安の乙女たちは
    藤袴の葉を煮出した「蘭湯」で沐浴し
    邪気をはらったそうです

    葉を乾燥させると
    桜葉のような香りがたち
    現代でもアロマに利用されています

    ためらい
    という奥ゆかしい花言葉は

    華奢な藤袴が
    風にゆらぐ様子を写し取るよう

    秋の七草にも詠まれた
    可憐な野の花は

    涼やかな風が吹き抜ける
    秋のさわやかな風情を届けてくれます

    次回、8月30日
    文月 下弦の半月のころに

    はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第26回『旧暦文月九日(上弦の半月)』

     

    朝顔 アサガオ
    花言葉:愛情 結束

    夏を象徴する花のひとつ
    朝顔は

    奈良時代に渡来し
    薬草として親しまれてきました

    江戸時代に入り
    花の鑑賞をたのしむことが
    市井の人々に愛されました

    源氏物語で描かれた
    朝顔の君

    光の君の愛を拒み続けた
    女性として知られます

    聡明な朝顔の君と光源氏は
    生涯 文を交わし合う仲でした

    朝顔の花言葉
    愛情と結束をあらわすような
    物語かもしれません

    花や香りを添えて
    文を交わす

    そんな風流な関わりに
    ほんのり憧れます

    次回7月22日
    文月の満月の訪れのころ
    お届けいたします

    はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第25回『旧暦文月朔日』

    桔梗 キキョウ
    花言葉:永遠の愛 誠実

    秋のはじまり 立秋
    月の巡りで数える暦も
    7月を迎えました

    7月をさす文月(ふみづき)は初秋にあたります
    清廉な姿が美しい桔梗もこのころ花を咲かせます
    袋状にふくらみ
    その先が割れて花開く桔梗

    秋の七草のひとつです

    万葉の時代から愛され
    当時は桔梗も
    朝顔と呼ばれていたとか

    朝に咲く美しい花を
    さす言葉だったのでしょう

    暑さがきわまるころが
    秋のはじまりです

    昔の人が感じていたように
    暑さの盛りを秋の気配と捉えてみると

    目に映る景色が
    すこし変わって見えてきます

    日々の暑さに
    疲れが積み重なる毎日

    どうぞおからだお厭いくださいね

    次回、8月16日
    旧暦七夕のすこしあと
    文月の上弦の半月のころに
    お届けいたします

     

    はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第24回『旧暦水無月二十二日(下弦の半月)』

    向日葵 ヒマワリ
    花言葉:あなただけを見つめる 情熱 愛慕

    太陽の光を一身に受け
    光輝くヒマワリ

    夏の煌めきを
    ポジティブに見せてくれます

    古代
    太陽神の象徴ともされた
    大輪の花は

    現代でも人々の心を
    明るく照らしています

    「あなたは素晴らしい」

    そんなメッセージを
    届けているヒマワリですが

    愛を告げる花でもあります

    その数により
    伝える意味も変わります

    愛の告白なら3本
    プロポーズには108本

    最愛の人から贈られて

    ヒマワリのように輝く笑顔で
    頷きたいですね

    そして999本のヒマワリを
    お返ししたいな

    なんてロマンチックに感じます

    さて、どんな意味があるのでしょう?

    次回、8月8日
    旧暦七月(文月・ふみづき)の新月

    “秋のはじまり”にお届けします

     

    はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第23回『旧暦水無月十五日(望月)』

    ゼフィランサス
    花言葉:汚れなき愛 便りがある 期待

    種類が多いゼフィランサス
    白 ピンク 黄色に花を
    6月頃から咲かせます

    真っ白な玉簾(たますだれ)
    ピンクのサフランモドキ

    この季節の散歩中
    あちこちの庭先で
    可憐な花を見ては顔がほころびます

    ゼフィランサスの語源のひとつ ”風”

    これが花言葉の ”便り”
    につながりました

    メールやSNSで
    どこでなにをしているのか
    友人知人の近況を
    知ることができる昨今

    風の便り

    という言葉が
    いまやどこか
    奥ゆかしいものに感じられます

    あえて今
    そっとSNSを手放し

    風の便りを感じてみても
    よいかもしれませんね

    次回は7月31日
    水無月下弦の半月のころにお届けいたします

     

     

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花のこと