はなごよみ つきごよみ くらしごと

    はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第48回『旧暦師走廿三日 下弦の半月』

     

    デンドロビウム
    花言葉:わがままな美人 天性の華をもつ

    月の巡りの暦は
    今年最後の半月を迎えます

    この月が欠けてゆき
    新月となると

    また睦月 1月となり
    新しい1年の巡りが始まります

    満ちては欠ける月を眺め
    季節の移り変わりを
    野の花とともに
    感じてきましたが

    今日でこの連載は最後

    新月
    上弦の半月
    満月
    下弦の半月

    月の満ち欠けの12巡りに
    おつきあいいただき
    ありがとうございました

    最後にご紹介する花は
    華やかなデンドロビウム

    アジアを中心に
    1000以上の原種がある蘭の1つで
    育てやすく
    日本でも多くの人に
    愛されています

    華やかな印象から
    花言葉がつけらていますが

    じつはもうひとつ
    「おもいやり」という
    言葉もあるデンドロビウム

    よいことも
    いやなことも
    さまざま起こる毎日ですが

    思いやりの心を
    持って接すれば
    きっと

    やさしさの連鎖が生まれるでしょう

    1年間
    みなさまの暮らしに寄り添う言葉を
    お届けできておりましたでしょうか

    また新しい1年も
    みなさまにとって幸多く
    おもいやりにあふれたものとなりますよう

    心よりお祈り申し上げます

    また可憐な野の花とともに
    お会いできます日を楽しみに
    いったん筆をおきます

    ありがとうございました

    UTAKATA haru

    はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第47回『旧暦師走十六日 望月』

    梅 うめ
    花言葉:上品 高潔 忍耐 忠実

    寒さの厳しいころに咲く花は
    きまって「耐え忍ぶ」言葉が
    添えられます

    春の訪れを香りで知らせる梅も同様

    しかし

    その姿に誰もが
    高潔で凛とした気持ちを
    呼び起こされることでしょう

    まもなく暦は「春」を迎えます
    月が幾たびも巡り
    また1年という月日が流れました

    新暦では少し前に
    新しい年に替わりましたが

    旧暦と呼ばれる
    ひとつ前の暦では
    今日満ちた月がまた姿を隠すころ

    新しい年を迎えます

    「迎春」

    この1年は月の動きに合わせ
    さまざまな野の花を
    ご紹介してきました

    夜空を眺め
    月が満ち
    またかけてゆくのは

    神秘的で
    でもどこか自らの内側に
    寄り添うに感じられます

    季節はいつも
    かわらずに移りゆきますね

    今宵は1年の締めくくりの

    満月

    静かに満ちてゆく感覚を
    楽しみながら

    新たな1年も健やかであることを
    祈りましょう

    次回、1月25日
    旧暦今年最後のはなごよみを
    お届けいたします

     

    はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第46回『旧暦師走八日 上弦の月』

    山茶花 サザンカ
    花言葉 : 困難に打ち克つ ひたむきさ

    さざんか さざんか 咲いた道
    たきびだ たきびだ 落ち葉たき

    童謡「たきび」で描かれているように
    かつては庭の生垣として愛されていた山茶花

    厳しい寒さの冬に花開くことから
    苦しさを乗り越えていく
    花言葉につながっています

    真っ赤な山茶花に
    雪が降り積もる景色は
    寒さを忘れて
    みいってしまうほどの美しさ

    日本特産の山茶花
    多くの俳人・歌人によって
    たくさん詠まれてきました

    寒さの中で人々の心を
    励ましてきたであろう山茶花は
    あざやかな赤い花が
    よく知られていますが

    白やピンク
    また1つの花の中で
    混ざりあったものなど
    いろいろな種類があり

    花言葉も色によってかわり
    白い山茶花には「愛を避ける」という
    すこし悲しい言葉も含まれます

    冬に開く花の持つ儚く可憐な印象は
    どことなく切なさがあります

    でもこれから迎える春に向けて
    力強く生きていく
    そんなエネルギーを届けてくれるようです

    次回、1月18日
    師走の月が満ちるころにお届けします

     

     

    はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第45回『旧暦師走朔日』

    千両 せんりょう
    花言葉:利益 裕福 財産 恵まれた才能

    幸運の印とされる赤い実を
    寒さ厳く冬の極まるこの時期に
    たわわと実らせる千両

    夏頃に控えめに
    緑の花をつけます

    江戸時代までは
    仙寥花(センリョウカ)
    とよく呼ばれていました

    たわわに実ることから
    財を成すことにつながり
    花言葉がつけられました

    赤い実がよく知られますが
    黄 紫 白と
    さまざまな色の実をつける品種があり
    なかには入手が難しいものも

    左右対称のギザギザの葉に
    赤い実が実千両を
    縁起のよい飾りとして
    お正月にいけられるご家庭も
    多いのではないでしょうか

    彩りが少なく寂し気な季節に
    華やかさを加えてくれる千両

    新たな1年も実り豊かでありますように
    ともに祈ってくれているようです

    次回1月10日
    師走の上弦の半月が夜空に輝く頃
    お届けいたします

    はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第44回『旧暦霜月二十四日』

     

    南天 ナンテン
    花言葉:私の愛は増すばかり

    日本や中国に自生し
    多くの家で庭木として
    愛されてきた南天

    ”難を転ずる”という
    語呂あわせから
    縁起のよい木として
    知られています

    夏に咲かせる白い花には
    深すぎる愛
    募る愛
    という花言葉が添えられ

    冬になると赤く色づく実には
    幸せ
    よき家庭
    という言葉が寄せられます

    魔除け 厄除けの効果が信じられ
    お正月飾りとしても
    ひろく使われる南天

    果実を乾かした南天実(なんてんじつ)は
    解熱・咳鎮めに効果があります

    薬草としての力も
    持ち合わせる南天が
    愛や幸せの言葉を持つのは

    日々の暮らしこそが
    幸せの象徴で
    そこに深い愛を
    感じていたからかもしれません

    新暦では2021年が間もなく終わり
    新しく2022年を迎えます

    今年はどのような1年でしたでしょうか

    旧暦では月があと一巡りいたします
    月の動きに合わせてお届けしてきた
    はなごよみ つきごよみ くらしごと

    のこり1月となりました

    次回は1月3日
    師走の新月のころに
    またお会いしましょう

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