はなごよみ つきごよみ くらしごと
    第30回『旧暦葉月八日(上弦の半月)』

    萩 はぎ
    花言葉:内気 柔らかな心

    万葉集の中で
    もっともたくさん詠まれた植物

    いにしえの人々にとって
    秋の花といえば

    垂れた枝の先に
    赤紫や白い可憐な花を咲かせる

    萩でした

    「令和」の語源として
    一躍 時の人となった
    奈良時代の歌人

    大伴旅人(おおとものたびと)

    かの人は
    ことのほかこの花を愛し

    この世をさる前には
    “萩の花は咲いているか”
    と問うたとか

    萩の花が咲くころ
    求婚時期と重なりよく鳴くことから

    万葉集では
    ともに詠われることが多いのが

    鹿と萩

    『我が岡に さ雄鹿 き鳴く 初萩の
    花妻とひに き鳴く さ雄鹿』
    (万葉集 巻8-1541)

    これは鹿が萩の花を妻とするため
    切なく鳴く様子を詠んだ

    大伴旅人のちょっと不思議な
    美しい秋の世界です

    日ごと深まる秋の風情を
    こころゆくまで堪能したい

    秋はそんな気持ちになります

    次回、9月21日
    中秋の名月のころ お届けします

     

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