はなごよみ つきごよみ くらしごと
第28回『旧暦文月廿三日(下弦の半月)』
竜胆 リンドウ
花言葉 :あなたの悲しみに寄り添う 勝利
竜胆の花を想うとき
いつも思い出す一節があります
物語「銀河鉄道の夜」の中で
天の野原に広がる紫の竜胆を見て
「もうすっかり秋だねぇ」
と声を漏らす
カンパネルラの言葉です
熱気を残しながらも
秋に向かう
どこか切ない夜
悲しみに寄り添う
竜胆は
暗闇に花を閉じてなお
あたたかく
光を灯してくれるようです
世界中で古くから
薬草として
人々の力になっていた竜胆
病に打ち勝つ意味をこめ
「勝利」という
花言葉をもちます
人々に寄り添い 病に勝利すする
竜胆の力に導かれますように
次回、9月7日
葉月の新月にお届けいたします
はなごよみ つきごよみ くらしごと
第27回『旧暦文月十五日(望月)』
藤袴 ふじばかま
花言葉:あの日を思い出す ためらい
夏の終わりが近づくと
藤袴が紫色の花を咲かせます
香水蘭 夢花と
美しい別名を持つ優美な花
平安の乙女たちは
藤袴の葉を煮出した「蘭湯」で沐浴し
邪気をはらったそうです
葉を乾燥させると
桜葉のような香りがたち
現代でもアロマに利用されています
ためらい
という奥ゆかしい花言葉は
華奢な藤袴が
風にゆらぐ様子を写し取るよう
秋の七草にも詠まれた
可憐な野の花は
涼やかな風が吹き抜ける
秋のさわやかな風情を届けてくれます
次回、8月30日
文月 下弦の半月のころに
はなごよみ つきごよみ くらしごと
第26回『旧暦文月九日(上弦の半月)』
朝顔 アサガオ
花言葉:愛情 結束
夏を象徴する花のひとつ
朝顔は
奈良時代に渡来し
薬草として親しまれてきました
江戸時代に入り
花の鑑賞をたのしむことが
市井の人々に愛されました
源氏物語で描かれた
朝顔の君
光の君の愛を拒み続けた
女性として知られます
聡明な朝顔の君と光源氏は
生涯 文を交わし合う仲でした
朝顔の花言葉
愛情と結束をあらわすような
物語かもしれません
花や香りを添えて
文を交わす
そんな風流な関わりに
ほんのり憧れます
次回7月22日
文月の満月の訪れのころ
お届けいたします
はなごよみ つきごよみ くらしごと
第25回『旧暦文月朔日』
桔梗 キキョウ
花言葉:永遠の愛 誠実
秋のはじまり 立秋
月の巡りで数える暦も
7月を迎えました
7月をさす文月(ふみづき)は初秋にあたります
清廉な姿が美しい桔梗もこのころ花を咲かせます
袋状にふくらみ
その先が割れて花開く桔梗
秋の七草のひとつです
万葉の時代から愛され
当時は桔梗も
朝顔と呼ばれていたとか
朝に咲く美しい花を
さす言葉だったのでしょう
暑さがきわまるころが
秋のはじまりです
昔の人が感じていたように
暑さの盛りを秋の気配と捉えてみると
目に映る景色が
すこし変わって見えてきます
日々の暑さに
疲れが積み重なる毎日
どうぞおからだお厭いくださいね
次回、8月16日
旧暦七夕のすこしあと
文月の上弦の半月のころに
お届けいたします
はなごよみ つきごよみ くらしごと
第24回『旧暦水無月二十二日(下弦の半月)』
向日葵 ヒマワリ
花言葉:あなただけを見つめる 情熱 愛慕
太陽の光を一身に受け
光輝くヒマワリ
夏の煌めきを
ポジティブに見せてくれます
古代
太陽神の象徴ともされた
大輪の花は
現代でも人々の心を
明るく照らしています
「あなたは素晴らしい」
そんなメッセージを
届けているヒマワリですが
愛を告げる花でもあります
その数により
伝える意味も変わります
愛の告白なら3本
プロポーズには108本
最愛の人から贈られて
ヒマワリのように輝く笑顔で
頷きたいですね
そして999本のヒマワリを
お返ししたいな
なんてロマンチックに感じます
さて、どんな意味があるのでしょう?
次回、8月8日
旧暦七月(文月・ふみづき)の新月
“秋のはじまり”にお届けします